愛犬ロンの死ー0.6秒の悲劇

2010年2月15日

近くの農道で愛犬のロンが車にはねられて死んだ。いつもわたりなれていた道をわたるとき、飼い主の知人でロンもよく知っている人の車だった。
農道に一台真新しいくるまがとまっている。
車の前に立った男は呆然と目の前に横たわっている犬を見ている。
ロンは車にはねられた瞬間、あれ、こんなはずではなかったのに、、とつぶやいた。
どんどん意識が薄れていく。
いつもわたりなれた農道である。
確か、数秒前、ロンは車が来るのを見た。
よく知っている飼い主の友人の車である。
運転している人もその人だった。
その人は犬好きで飼い主の家に行く度に、‘ロン‘と声をかけてくれて頭と首をなでてくれる。
農道でみかけたのも始めてではない。
いつも、この道で出会うとそばまで来て車をとめてロンをなでて‘ご主人は家にいるかな?‘ときいてくれる。
だから、今日もいつものようにそばまで来て止まってくれると思った。
その人はロンを見つけて明らかに車の速度が落ちていたからブレーキを踏んで止まるつもりだったはず。
ところがなぜ、はねとばされたんだ?それも昨日飼い主のところに見せに来てくれた新車のエコカーだったのに。。。
ロンの意識は消えて、鼓動も止まった。
そばに立って途方にくれた様子の男性は‘止まったはずなのに、、どうして?‘としゃがみこんでロンを抱き上げ、すぐ近くのロンの飼い主の家に向かって歩き始めた。
実はこの車、これまで乗っていた同じメーカーの車よりもブレーキをかけてから止まるまでの時間が0.6秒長くかかることを、その日の夕方のテレビは伝えていた。0.6秒,それは時速40キロで走っていて10メートル足らずの距離ではあったが、、、、、その距離がロンの期待を裏切った。

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