アメリカンアイドル

2010年3月22日

この連休、久しぶりにアメリカンアイドルを見た。
久しぶりの連休と言う感じでのんびりしてテレビを見ていたら、アメリカンアイドルをケーブルテレビで発見した。テレビ番組ガイドを見る習慣がないのでいつもチャンネルサーフィンをしながらいきあたりばったりに番組をみる。この番組を見るのは久しぶりである。
昨日今日の二日間で見たアメリカンアイドルは一ヶ月前の再放送のようだが男女12人ずつ、24人まで絞り込まれたところでのコンテストなので出演者の質はかなりの高さである。
この番組、出演者の歌も楽しめるが、何よりも楽しくて勉強になるのは4人の審査員の審査評である。審査評を聞いていると、なるほどこのように評価するのか、と審査員が見ている評価ポイントがわかる。
私のこの番組の楽しみ方は出演者の歌を聴きながら自分なりの審査コメントを考えておく。それと、歌が終わってからの審査員の批評とを比較してみる。その結果多くの場合自分の評価のつたなさを思い知らされる。5年ほどの自分のレコード会社の仕事の経験から、今回のアメリカンアイドルの24人までに残ったようなタレントには出会わなかったようにおもう。
それだけアメリカの音楽市場の新人の層の厚みと質の高さを痛感させられる。今回の24人のレベルの演奏者に対しての審査員の批評のポイントはかなり絞り込まれている。
まず、そもそもすぐれた声の持ち主であることがまず条件。よく使われている言葉は‘Gifted voice`、生まれながらに与えられた声の持ち主であること。
次に身の丈にあった歌を選び身の丈にあった表現を求められる。若い人がベテランの歌をベテラン風に歌つと、お父さんかお母さんの世代の歌をうたうのではない、とたしなめられる。
三番目は個性の発揮。カバーを歌っても個性は発揮できる、自分の身の丈と声の質にあった歌を選べば、、、とコメントされている。四番目はコンテストだからだろうが歌い方がちょっとでも萎縮していると、とにかくのびのびと歌え、と指摘される。
自分に合った選曲をすることがとても大切なことがわかる。イケテル、とかノリがいいといったわけの判らないコメントは一切ない。ただ、一言、それぞれの審査員は自分が好きか嫌いかは時々コメントしている。今回の番組の出演者のレベルにまで来ると音程がずれたりリズムに乗れていないと言う出演者はまずいない。こんなことは少なくとも論外なのである。
レコード会社の制作部門の社員にとって重要なことは能力のある新人を発掘することである。発掘するには能力のある新人に出会わなければならないが、能力を見極める力が探すほうにも求められる。新人の能力を見極める力を鍛える必要がある。歌手の評価する力を学ぶにはこのアメリカンアイドルと言う番組は最高の教材だとおもう。
昨今、なかなか仕事場の先輩から評価する目を添わることは少ない。なにも音楽の世界だけでなく、どこの職場でも先輩が後輩を指導する余裕も無ければ能力もなくなっている。したがって、何年たっても入社して少したったままの惰性で仕事をしていたり、もっと嘆かわしいのはよしあしの区別無く先輩の背中から見習ってしまっている。
このアメリカンアイドルの出演者と審査員の批評は新人発掘の目の付け所を教えてくれるだけでなく、発掘したあとの売り出すための企画のポイント、育成の仕方も教えてくる。
こころある音楽製作部門の人には必見お勧めの番組である。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です