長野県小布施

2010年8月25日

久しぶりに長野県に出かけた。いつもはせいぜい小諸、上田あたりまで
だが今回は小布施まで足を延ばした。

小布施は以前から興味があった場所である。
なにしろ北斎が超晩年の数年間、90歳の手前まで滞在し制作をして
いた町だから。ただ、今回は北斎だけが目当てだったのではなく町が戦略的に観光開発
をした街であるのでどのように作られているのかを見るのが目的だった。
写真の一枚目は信金の入り口である。藍染ののれんにしんきんと染め抜かれている。信金まで観光の要素として仕立て上げているところに関心。
もちろん、建物は木造風、和風である。さっそくATMを使ってみる。最新型のATMが気持ちよく動く。ATMコーナーは程よく冷房が効いていて入るとほっとする。
この信金の裏には20台くらいのパーキングがあり、信金の横の道から出入りする。駐車場が完備しているのは昨今の観光地の必須条件である。
二枚目の写真は信金から出た、表通りの歩道の敷石である。これは実は敷石ではなく、間伐材を小口を上にしてブロックを敷き詰めたものであり、足ざわりがとてもよい。
1時間ほどうろうろ見てまわって蕎麦屋で十割そばを食べて次の場所に移動した。
観光地域は歩ける範囲にほとんど揃っている。揃っているのではなくて計画的に揃えている。
この街は北斎以外に特に観光資源はない。自然はとくになんということのない場所である。それを街として計画的につくりあげたところにその地域全体としての何かを感じさせる。
みやげ物やで売っているものもとくに小布施で昔から伝わった名品というわけではなく、みやげ物として考えて企画してるくらいのものである。
地域としての意匠、観光客の交通手段とその受け入れる体制、企画し開発された、へんなこだわりのないみやげもの、、、、名所旧跡を点でアピールし観光資源化するだけでなく、いくつかの点を作り、それをつなぎ面として構成し、しかも歩ける範囲に集約し、来る人のアクセスに対しての備えも十分配慮された街、まさに観光誘致のために計画的につくられているところが小布施の特徴ではないか。
最近の観光立国ブームにあおられあちこちのこれといった観光資源のないところまでむりやり観光地化しようという動きがある。資源が無いから観光誘致ができないということではないが、強力に人を引き寄せるものがなければそれを創り出せばよい。さらに、観光は点ではなく面であり、アクセスである。点があり、それが面を構成しその面にアクセスする仕組みが組み合わさればそれなりの観光地を創り出すことができる。
昔はやった言葉で表現すると、一点豪華主義だけでは不十分であり、公共交通機関が整っていないところでは車でのアクセスが多いだろう。
地理に不案内な観光客が迷うことなくアクセスでき安心して止めておける駐車場の配置も大事であることも知った。酷暑のなか、ここまでやってきた甲斐があった。
小布施には観光客向けの街としてのシナリオが感じられた。ひょっとしたら想定する観光客の行動シナリオを描いてそのシナリオに沿って開発したのだろうか。

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