円高なのか、ドル安なのか

2010年10月 2日

日本のメディア風にいうと、また円高が進んで83円台になってきている。
円高なのか、ドル安なのか、、、同じようではあるが実はそうでもない。
円高とは国内から見た円とドルだけの関係であるのにたいしてドル安とは世界的に見てドルとその他の通貨の関係である。
ほんの少し前、日銀が為替取引に介入して、多分2兆円規模でドル買い、円売りをしたということである。その瞬間は85円台まで円が下がったがまた元の木阿弥である。
今朝、風呂に入っているときに考えたことがある。最近、涼しくなってきたので風呂のお湯を入れっぱなしにしておくと風呂の温度が下がりやすい。今朝もちょっとぬるめの風呂だった
ので熱いお湯を足して温度を上げて入った。
しかし、またしばらくすると温度が下がってくる。これはかなりの量のある風呂のお湯に熱いお湯を入れてもその瞬間は熱くなるがかき混ぜたりするとすぐぬるくなる。
ドルと円の関係もそんな感じではなかろうか。
風呂のお湯が全世界のドルの通貨量である。日銀の介入が熱くしようとして追加する熱いお湯の量である。所詮全体のドルの通貨量に比べて注入される円の量は限られているのですぐその効果は薄められてしまう。
まさに単独介入が効果が薄いことを示している。各国が協調して介入する場合はみんなで熱いお湯をいれて風呂の温度をあげることに似ている。別の見方をすると大量に出回っているドルの価値がこれだけ下がっているということはドルのエネルギーが減っているわけだがそれを一国で持ち上げようとするのは間違いではなかろうか。今週、この話題で話をしていたとき面白いことを聞いた。
いま、このドル安を利用してアメリカからどんどん兵器とか飛行機を買い入れている国があるそうである。
たとえば旅客機を一ドル110円の半ばで買う場合と今のレートの80円半ばで飼う場合を比較したら30円台のギャップがある。つまり購入価格差が30%もあるということである。30%安い旅客機を買って航空ビジネスを拡大されたら110円台で買った航空会社はコスト競争では不利である。言い換えれば、目の前を見ればJALのコスト改善の一つの策として今のうちに新しい燃費のよい航空機に入れ替えてこれからの競争のための投資をするというのもあり、ではなかろうか。
ちなみにアメリカからせっせと兵器を買い入れているのは中東の親米国だそうである。これらの国が新しい兵器を仕入れたら古い兵器を放出するだろう。その放出された兵器はどこにいくのだろうか?
アメリカはイラク戦争をやめたわけだが、アフガンも縮小の方向にある。アメリカの兵器産業ではこれらの戦争を見越して生産した兵器が在庫として残っているはずである。いままさにその在庫一掃の時期なのだろう。そうだとすればこの在庫が売切れるまでドル安は続けなければならない、と言うのがアメリカの立場なのか?
補正予算の景気浮揚策は4兆円強だといわれている。為替相場への介入に一回当たり投入されるのは2兆円くらいだろう。これが紙くずになったとは言わないが2回投入したら国家全体の景気浮揚策の金額に近くなる。
なにかもっと賢いお金の使い方はないのだろうか?

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