英雄伝説には標準パターンがある

2011年12月12日

英雄はきわめて高貴な両親の子供、たいていは王子である。
彼の誕生に先立って、禁欲生活、あるいは長期の不妊、あるいは
外的な力による禁止や妨害の結果としての両親の密会などの困難がある。
妊娠期間中、あるいはそれよりも早く、彼の誕生を警戒するように
との告知(夢、神託)が現れる。これはたいていの場合、父親にとっての危険を告げる脅威的なものである。
そのため、生まれたばかりの子供は、たいていの場合、父親あるいは父親の代理する人物の指示によって、殺されるか棄てられる定めとなるが、常のことのように、子供は小さな箱の中に入れられ水に流される。
ついで、その子供は、動物あるいは身分の卑しい人(牧人)によって救われ、牝の動物あるいは身分の卑しい女性によって乳を与えられる。
成人するにいたって、かってのその子供は、波乱万丈の道を辿って高貴な両親に再会し、一方では父親への復讐を遂げ、他方ではその真の素性を認められ、偉大な権力と栄光を得る。
これは最近読んでいるフロイトの‘モーゼと一神教‘の一節である。
こんなことが本のごく最初に書かれていることから感じられるようにとても面白い本である。
とにかく、英雄伝説をパターン化しているところが面白いし、たしかに納得である。
ちなみに、ラブロマンスの標準形はトリスタンとイゾルデだと思っている。理由はロミオとジュリエットはこれを下敷きにしているし、ウエストサイドストー^リーはロミオとジュリエットを下敷きにしているから、、、、

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