市場にお金がまわらない?

2012年4月24日

最近には珍しく、近くの居酒屋でまったり飲んでいたところ、偶然隣に座った人とおしゃべりをはじめた。
こんな機会が生まれるのが居酒屋のよさである。しかも、知らない人とのおしゃべりは一人か二人でぼんやり飲んでいるときにその機会がやってくる。
しばらく話していると、お隣は銀行関係の人だ、とわかった。そこで最近感じていた世の中のお金の流れの少なさに絡んで質問を投げてみた。‘ところで最近の貸し出しの状況はどんなかんじですか?‘‘まあまあですよ‘、無難な返事である。当たり前でその晩偶然隣に座り合わせた男からの質問である。そこで、‘まあまあって預金と貸し出しのバランスはどんな感じなんですか?‘お隣さんはちょっと酔いを邪魔されたような顔で、‘そうですね。70%くらいですよ‘
‘え?!それって、預金の70%しか貸し出しにまわっていないのですか?‘いまどき、そんなもんですよ。自分の若い頃は(20年くらい前か?)は110%というくらいでしたがね。‘‘それじゃ、残りの30%はどうしているんですか?‘‘金融商品への投資で運用しているんですよ‘、‘なるほど、、、でも、金融商品投資はリスクが大きいでしょう?元本割れなんてことが起きる危険があるでしょう?‘、‘いやあ、我々はプロですから、そんなことはありません。‘
会話はここで今つついている煮込みの話に変わった。
さて、焼酎と水を交替に飲みながら考えたのは、預金の70%しか貸し出しにまわっていない。残りの30%は金融商品の投資運用だということは、そのお金の行き先は安全だけを考えれば日本の国債、リターンを考えれば海外の金融商品だろう。これはある意味日本のお金の海外流出であり、政府が国債で集めたお金を経済活動の促進に使われなかったら、実に現在はその通りといわざるを得ないが、、極端な言い方だが、日本経済というマシンは出しうる出力の70%で動いていることになる。つまり、3割減といってもいい。
きっちりと論理的には説明ができないのだが、なんとなく不景気の一因もこのあたりにあるのではないだろうか?
しかし、1980年代の銀行を知っている者にとって貸し出し比率が70%と聞いたときは、飲んでいる手が止まってしまった。

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