瀕死の状態でのビジョントーク

2009年11月26日

最近、同じような状況に2件でくわした。
両方とも、事業的に瀕死の状態にある企業である。
そこの経営者から会議に参加して欲しいとの依頼を受けて顔を出した。
そこでまず経営者から会議に関する問題提起があった。
なんと会社のビジョンについて、どうあるべきか、ということの
話が始まった。そして、そのビジョンを実現するには、、、という
のが議論のテーマである。長期的な展望と方向性を明確にすること
が目前の瀕死の状況を解決する、とでも思っているようである。
この先半年でも事業が継続できるかどうかという状況にあるのが
一社であり、もう一社は売り上げに対しての損失が20%を
上回るような状況で債務超過目前の企業である。
このような経営者に限って事業が好調なときは目先の更なる利益を
追求し、多額のボーナスと配当を狙った行動に終始し、このような
時にこそビジョンを議論すべきナことはすっかり忘れている。
つまり、その現状においてはうまく行っているがゆえにビジョンも
くそもない、というわけである。
瀕死の状態において経営者がビジョンに関心が向くのはこの二社に
限ったことではない。これは経営者の現実からの逃避の現れである。
瀕死の状態においてはその状態から一刻もはやく抜け出すための
議論と行動が必要なのであって、ビジョンは時と場合による。
経営にはビジョンが必要である、という書物はたくさんある。
夢をかたるのは耳障りがよいし、口当たりもよい。
しかし、企業が瀕死に陥った場合に関して語ってくれるものは
少ない。今のような時期に、経営者にとって必要な考えと行動は
瀕死の状況からいかに早く脱却するかであり、ビジョンは瀕死の
状態から抜け出た後で十分である。
企業にとって、経営者にとってビジョンは確かに重要である。
しかし、ビジョン以前の状況においてビジョンの議論をするのは
ナンセンスであり、これほど現実の問題から目をそらさせてしまう
危険な行動はない。

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