メンタル介護ロボット パロ

2009年12月27日

最近ロボットに関心がある。
以前の仕事仲間がそれなりにロボットに関係していたり、ロボットについて講演をする機会があったり、、、関心があるのは介護に関するロボットの分野。このパロもお話相手をしてくれるロボット。


家族が特別養護法人ホームに入っている。その前はしばらく介護センターにいた。ほぼ週に一回会いに行く。その時期を同じくしてロボット関係の団体で話をさせてもらえる機会ができた。そこで少しだがロボットのことについて勉強する機会が出来、これまでの生産の自動化のためのロボットからこれからは生活の場所でも活躍が期待できるところまで来ていることを知った。
そのことと特別養護老人ホームで見る老人とが結びつき、とくに肉体的な介護サポートロボット、メンタル的な介護サポートロボットなど介護の分野でこれから期待されるロボットの役割に強く興味を抱くようになった。
そのなかで、特に関心をもったのがここで紹介するパロというメンタルサポートロボットである。資料によると1993年から研究がはじまり、2002年には世界一の癒すロボットとしてギネスブックで認定され、現在では8代目の製品だということである。その製品は動物を飼いたくても飼えない人のために開発され、いまでは介護センターなどの施設で使われているそうである。
介護施設に定期的に通っているといろんなことがわかるようになってくる。まず、ほとんどの人が車椅子の世話になっている。これは足が不自由になりあるけなくなったからである。車椅子を使うようになると行動の様子がかわる。なぜ、歩けなくなるか、なぜ車椅子になるか、このあたりは別の機会に見聞きしたことを整理してみる。
パロにかんしては意識の分野でのことである。介護の実態をみていると介護対象者の物理的な介護だけで手一杯である。それもかなりの重労働である。気をやすめる時間も無いというのが実態である。したがって、介護対象者の老人とゆっくりいろんなことを会話することは時間的に極めて難しい。被介護者のほうはだんだん一人で黙ってすごす時間が多くなる。つまり、人と話す時間が極めて少なくなる。これはなにも介護の対象者だけでなく独居老人でもおなじではないか、とおもう。
日ごろそのような状態にある人を訪問し時々話をすると、話をし始めたときにはなかなかコミュニケーションが無りたたないのだがほんの数分すると反応がアクティブになり、かつ顔の表情が変わってくる。
このパロというあざらしの子供のかたちをしたロボットは老人といろんなマナーで接することの出来るロボットである。知覚的な分野でのある種のトレーニングロボットだといってよい。
このようなロボットが具体的にこのような効能がある、というのはそんなに容易なことではないだろうし、私自身その経験が実際にあるわけではないから効能を具体的に述べることはできない。
しかし、実際に養護老人ホームにいる老人を定期的に訪問し、その老人たちに日ごろの話相手となるロボットがいたらずいぶんメンタルなケアになるのではないか、とおもっていたところこのロボットを見つけたので、ぜひ家族にも、とおもったのだが、、、、
パンフレットをみたら、なんと一台(一匹?)35万円だそうである。機能仕様をみるとさほど特殊な材料をつかっているともおもえないが常に改善開発が必要なのでそのための研究開発費であるとか、量産出来ないための製造コスト高とかでこの値段なのだろう。
これが十分の一の3万5千円なら、、、イ万台のロットで生産して、かつ介護関連の助成金予算がつけば3万5千円にすることも不可能ではないだろう。
それで毎日が楽しくなり、表情もあかるくなる老人が1万人ふえればとおもうが、、、、
今のロボットの事業のなかで一番難しいのは市場と開発された製品を結びつけるところである。このパロも同じむつかしさを抱えている。
いま自分の頭のなかをめぐっているのは、潜在的なこのような需要をいかにして顕在化させ、何があれば事業化できるか、である。たぶん、今の日本が持つ数少ない世界をリードできる事業分野なのだが、、、、
このロボットのパロという名前をしったときさっそく某有名検索機能で検索したが、何でも出てきそうなあの検索サイトでも引っかからなかったのは世間での認識の低さのあらわれか?
ちなみにサイトはhttp://paro.jp/
開発製造しているのは株式会社 知能システムという富山県の会社である。

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