読むコーヒー、サンケイ エキスプレス

2010年2月21日

サンケイから出している新聞のひとつにサンケイ エキスプレスがある。2年ほど前創刊されているから新聞としてはきわめて新しい。伝統に引きずられない何かがある。
通常の新聞を茶の間で座卓に大きく広げて、その紙面全体をみわたしながら読むタイプだとすればサンケイ エキスプレスは明らかに小ぶりなダイニングテーブルでコーヒーを飲みながら読むタイプの新聞である。
実はこんな比較ができるのもサンケイ新聞とサンケイエキスプレスの内容はほとんど重なっていて違った形の二つの紙面を容易に比較できるからである。
サンケイとエキスプレスは内容がほとんど同じ、と言うことはたぶんサンケイ新聞が取材した記事を流用してエキスプレスの紙面を作っていると思われる。
ほとんど同じ記事でありながら紙面上で受ける印象はとてもちがう。一方は従来型の大きさの新聞であり、もう一方はタブロイド版で紙も白い。
エキスプレスのほうは記事取材で勝負しているというのではなく、編集者の視点で編集のテイストで勝負している。したがって、紙面での記事のアピールの仕方がちがう。
しかもエキスプレスのほうは重点記事は大きく、それ以外の記事はレポート風にほとんど同じ大きさの枠の中に収めている。更に、重点記事に関してはそこで使われている写真はサンケイにのっている同じ写真にくらべてはるかに大きく、写真の大きさを記事のアクセントに利用している。
たとえばサンケイでは普通に扱っている浅田真央の記事もエキスプレスでは1ページフルにのせていてしかもその三分の二はバンクーバーに到着して手を振っている本人の写真である。
また、土曜日のタイガーウッズの記者会見の記事も記事の大きさもさることながらそこに載せられている写真はウッズとウッズの母が抱き合っている写真であり、何かを暗示させるような写真である。取材はもちろん新聞にとっては重要である。しかし同時にエキスプレスを見ていると編集の持つ力を感じさせられるし、同じコンテンツをマルチに活用すると言うコンテンツビジネスの基本事例をみせられている。
スタバで読む新聞としては普通の新聞よりも明らかにこのエキスプレスのほうが雰囲気に似合っているとおもう。

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