2010年6月 8日
毎週火曜日に早稲田大学で担当している講座では毎回簡単なクイズを
出している。
このクイズは特に決まった答えが無い。
決まった答えが無いからフィードバックする面白さがある。
それぞれの学生の考え方、視点がある程度わかるからである。
今回のクイズは次の3問である。
1.既存のメディアが新しいメディアのコンテンツになっている例をあげよ。
メディアがコンテンツになる、というところがポイントである
2.新しいメディアによって壊される権威の例をあげよ
新しいメディアが出現するたびに既存の権威が壊されていく。たとえばグーテンベルグの印刷の発明により聖書が大量に印刷されそれを手に入れればキリストの教えが学べるようになったがゆえに教会に行かなくてもキリスト教を理解できる可能性が出来、更に進んでカソリックの権威が下がり、新教が生まれるきっかけをつくった。今でも新しいメディアは既存の権威を壊している。その事例の質問である。
3.iPadとネットパソコンは本質的にちがうか?
価格帯は同じ、ネットパソコンはこれまでのノートパソコンの延長。
それではiPadに本質的な違いはあるか?この質問に対する反応は期待以上であった。
↓
Q1. 既存のメディアが新しいメディアのコンテンツになっている例をあげよ。
ゲームの中に既存のメディアが登場し、それを使えるケース
ラジオがインタネットラジオやポッドlキャストになる
テレビのなかのラジオ、音楽
インタネットで見る絵画
インタネット上のPCゲーム、ネットラジオ
iPadのコンテンツになっている新聞、雑誌、書籍
インタネット上のテレビニュース,ドラマ,アニメ、、、
iPad上の絵本
Q2.新しいメディアが既存の権威を壊している例を挙げよ。
電話やメールの出現による郵便
ノートパソコンによる紙と鉛筆
インタネットによる情報管理の侵害
たとえば、1Q84,アップル社
学生の授業への取り組み
ネット上で出席できたり、資料などが手に入るため
Youtube,にこにこ動画などによる映像ビジネスの侵害
音楽配信による既存の音楽ビジネスの侵害
インタネットによるテレビの位置づけの低下
iTuneによるDVDレンタルビジネスへの影響
音情報のデジタル化インタネット化による生演奏への影響
携帯電話による個人の安全やマナーへの侵害
インタネットによる機密情報の漏洩、内部告発
メールがファックスを崩す
電気が火のあり方を変える
Q3.iPadとネットパソコンの本質的な違いはあるか?
ネットパソコンは開発環境的、iPadは作られたものを
利用。宣伝広告のメディアとして利用。
(iPadに何かを表示しそれを見せる)
直感的なユーザーインターフェース、起動時間のはやさ
が機械からモノのイメージに変わる
基本的にはおなじ
持ち運びの便利さ、起動時間の早さ、、ふたが無い、、
モノとして本質的な違いでは
モビリティの違い、使う場所を選ばない、今までに
無かった使われ方がでてくる
ユーザビリティが違う。
パソコンのユーザーインターフェースはパソコン、
汎用性はあるが使用目的が特定化されていない、
iPadは用途を限定することによって汎用性は減った
がユーザビリティは向上している
アップル社の製品であるかないか、が違い
ネットパソコンはもともと入っているソフトを使う。
どちらも基本的に出来ることは同じだがiPadはそれを
自分用にアレンジして使う。アレンジするからiPadに
よって使われ方がいろいろ異なる
iPadはパソコンに比べて感覚的に操作できるので機械に
弱いひとでも簡単に使える。
パソコンはちょっと難しいという老人でも手に取りやすく
そのため支持者が多い
普通のパソコンに比べiPadのほうがアップル社にコンテンツ
も情報も独占されているような気がする。
持ち運びという点ではネットパソコンとそんなにかわらない
のではないか。
ネットパソコンはクリックするなど間接的な操作を必要とする
がiPadは操作を指で直接できる。