コンサートの勝手な楽しみ方

2010年10月 5日

昨晩は3ヶ月ぶりにヴァイオリンのリサイタルに出かけた。
場所は銀座の王子ホール。
王子製紙の建物のなかにある席数500くらいのとてもいい感じの
ホール。はじめてだった。
自由席だったので一番前の真ん中よりちょっと左にすわった。
ホールは前から三分の一くらい、ちょうど通路のあるところの一番前の
席がよい席だといわれている。招待席はほとんどがこの場所である。
もっとも、音のよしあしではなく出入りに便利だからかもしれない。
昨晩は最前列にすわった。
目的はヴァイオリニストの演奏を出来るだけ近いところで見たいから
である。演奏を聴くはずなのに見るのが目的か?
しかし、音を聞くときもずいぶん視覚の影響もある。その意味では聴く
だけでなく見ることにも十分価値がある。
ヴァイオリニストとの距離はせいぜい4メートルくらい。3メートルだったかもしれない。
おかげさまで指の動きが間近に見ることが出来て、どの弦を押さえているのかがよくわかる。
演奏されている楽器はガルネリ・デル・ジュス。18世紀前半の楽器である。ストラディバリとくらべて癖があるとか弾きにくいとか言われるヴァイオリンだがそれは解説を読んだり聞いたりした受け売りの話でコンサートで遠くから聞いている分にはなかなか判らない。
昨晩は絶好の機会だった。目の前で弾いている音をホールの反響の影響少なくダイレクトに聴けてしかも運指まで見れるのだから、、、、
約二時間のリサイタルだったがもちろん演奏は素晴らしく、楽しめたのだが私としては新たな発見があった。
ヴァイオリニストがどの弦を押さえて音を出しているのかが判る。
そのため弦によって音が変わることが判る。もちろん音の高さは弦で変わるが高さというよりも作り出す音の感じが変わる。
私は弦楽器の弦は音域を広げるために複数の弦が使われていると理解していた。もちろん弦の太さとか材質が違うので音色がある程度違うのは当たり前だとは理解していたが、、、
ところが昨夜のヴァイオリンはG,D,A,Eとある4本の弦から出てくる音にそれぞれ強烈な個性がある。
声にたとえるとGはバスのごとく太く力強く、Dは、この音が一番気に入ったのだが、バリトンのごとくなんとも言えない憂いと温かみがあり、Aはテナーとアルトが混じったとてもロマンティックな音がして、Eはまさにきらびやかなソプラノの音がする。
これは楽曲を演奏するときにその音域と弦が出す音の特徴をうまく考慮して演奏したら素晴らしいだろうとおもった。
事実、演奏された曲の中には弦をまたがらずにフレーズが奏でられるところがいくつもあったが、そんな曲ではそれぞれの弦が独立した楽器のように聞こえていた。
面白い体験だった。
デルジュスというヴァイオリンは個性が強いとか弾きにくいといわれるゆえんはこんなところにあるのだろうか、と思って聴いていた。

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