送電と発電の分離

2011年5月 7日

今回の原子力発電事故と、かねてから言われている日本の電気料金の高いこととを思い合わせて、現在の競争の無い地域独占事業体のあり方について疑問をもっと人は多いのではないか。
さて、そうはいってもどのような規制緩和があるのか難しい問題ではないかと思っていたら数日前の新聞に送電事業と発電事業を分離する案の記事が出ていた。
確かにそういわれてみると発電と言うことと送電と言うことはこれまで一体で見ていたが何も一体でなくてもよい。
たとえば現在の東京の電車と鉄道の関係を見るとひとつのヒントがありそうだ。
同じ線路の上を複数の鉄道事業者が乗り入れていてそれがゆえに乗り換えの手間が省けて乗客にとっては便利であり、しかも乗客はどの鉄道の電車を利用しているのかを意識することなく利用できている。
これを見習うといくつかの送電網が存在してそれが相互に接続されていて広い範囲での送電網を形成しているところにいろんな発電事業者の発電所が接続されそこから電気が送り出されていき、利用者はどこの発電所で作られたでんきであろうと均一料金で利用し、集められた料金は事業者間で配分されればよい。このネットワークに接続される発電所のひとつとして企業ガ行う火力発電などの自社の発電所もあるだろうし、太陽光発電事業者もあるだろうし、家庭の太陽電池あるいはガズから燃料電池による発電などがありうる。
公共性という点からは鉄道も公共事業である。
電気は公共事業だから送電と発電が一体化した現状の地域独占が一番よいのだ、と主張する電力会社の意見はこのように鉄道と対比してみると詭弁としか思えない。
電気自動車の普及もあわせて考えるといまが新たな電力サービスの政策を作る絶好の機会ではないだろうか。

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