企業の中核事業

2011年10月24日

最近、二つの企業の話を聞く機会があった。
その企業は両方とも現在のビジネスが壁にぶつかりこれからの展開の方向を模索している。
一つは伝統的な調味料の専業メーカー、もう一つはレコード会社である。この二つの企業のコアコンピテンスはあまり深く考えないとその特異性のある調味料の世界であったり音楽の世界であろうと思ってしまう。
これが当たり前の考えで、従って、その特異性のある調味料の製品の多様化を考えるだろうし、レコード会社においては音楽のビジネスの多様化を考える。
それぞれもっともな話なのだが、実際はこれらの商品とかサービスの横展開はなかなかうまく行かない。理由はそれなりにあって、企業全体を見ると調味料の製品開発とか新製品製造に関わっている人は実はその企業の四分の一もいないし、レコード会社で音楽制作に関わっている人もやはり四分の一かあるいは五分の一かもしれない。それ以外の人たちは今のその企業のビジネスのプロセスの中に配置されている。
新たなサービス、あるいは商品は必ずしもこのプロセスの中を流れるとは限らない。もし、別なプロセスを必要とするならばその企業の四分の三、あるいは五分の四が変更、新設、廃棄などの影響を受ける。
そうであるならば、調味料企業の四分の三、レコード会社の五分の四を占める部分をコアコンピテンスとみてそれをさらに活用する新しい事業を考えてみる方が実現可能性が高いのではないか?
調味料メーカーの場合は新鮮な調味料を冷凍し一回分の小さなパッケージにして全国のスーパー、コンビニ、飲食店に流通させる製造流通工程である。
レコードメーカーではCD、DVDをスタンピングしそれを印刷物とともに正方形の容器に収納し、それを全国のレコード店などに流通させる工程である。
このような工程をコアコンピテンスと考えれば、正方形のプラスティックケースにいろんな物を入れて全国に流通させるような商品を開発すれば新たなビジネスになるだろうし、一回分だけの分量の物をフレッシュなまま、冷凍して届けるような商品なら調味料でなくても何でも良いはずである。
プラスティックの板に記録された音楽の需要が下がったらあの正方形の箱に需要のある物を詰めて流通させれば良いので音楽ビジネスが思わしくないから事業が苦しい、というところから抜け出るきっかけもつかめるかもしれない。
コアコンピテンスは意外に普段考えていることとは異なっているのではないだろうか?
もう一度その企業にとって何が本当のコアコンピテンスなのか、見直してみると思いもかけない将来の可能性が見つかる。

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