政治主導が実現できない理由

2012年1月17日

民主党が政治主導の旗を掲げて勇ましく政府に入っていって
もう2年を過ぎるが、政治主導はどこかに消えてしまって、
誰もがもはや期待もしていないのではないだろうか。
そこで、この政府のケースを企業のケースに当てはめて考えて
みると何となく理由のいくつかが分かってくる。
まず、日本政府というのはどんなシチュエーションの企業で
あったかというと、長年、代々引き継がれた旧弊化した経営陣が
これまた組織的に硬直した企業を惰性で運営し、何も先に進まず
重要事項は先送りに明け暮れ、挙げ句の果てに毎年赤字(財政赤字)
を積み重ねていた。
そこに、`何でも解決できるぞ`とばかりに経営に名乗りを上げた
集団があり、もう現在の経営陣に愛想をつかした株主は祈る思いで
この集団を新たな経営陣に向かい入れた。かれらの指針は光り輝く
期待に満ちた言葉が並んでいた。
その一つで、これがすべての解決の鍵になるであろう、と思われた
のが経営主導、新経営陣の主体的改革であった。
長年不況に喘ぎ、事業も停滞し、組織も硬直化した企業の立て直し
に入った経営者の場合がまさにこのケースに合致する。
そのとき、新たに登場した経営者がまず手をつけることは三つある。
1。人事権を押さえて組織の活性化を図ること
2。財務経理を掌握し、コスト削減と戦略的な投資、資金投入を
  行うと同時に、経理の健全性を確保すること
3。凝り固まった事業運営を活性化するため、旧例に基づいて
  活動していたところに、実情、市場にあった活動が行える
  ように例外規定を設けで実践させること。
これを政府に当てはめて見ると、各省庁には新しい閣僚が配置され
政治の主体性を発揮するとして、人事院のトップも政権が任命し
さらに各省の予算実行をきっちり監査すべく会計検査院のトップ
も政権が任命することだろう。
ダイナミックな対応をするには例外をつくることだが、例えば
東北経済特区を時限を切って設立することなどは、企業での思い切った
事業転換と似たところがある。極めて重要だが事故が起きてしまって
立て直さなければならない事業には年度業績とは別枠で思い切った
かつ長期的な視点に立った事業投資をおこなうからだ。
とにかく、人事と経理が霞ヶ関にある間は政治主導は極めて難しい
だろう。

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