今日の代ゼミは明日の大学

2014年9月 9日

少し前のことになるが、代々木ゼミナールが全国に29校あった施設を
22校閉じて、7校に削減し、しかも東京、大阪など大都市の校舎のみ
残すことを決定したという。なんと、数の上では7割の削減である。
もっぱらの反応は受験生の減少による事業規模の縮小ととらえ、少子化の影響オガここまでに及んだ、という感じだが、、、、
このニュースを聞いてドキッとしたのは、数年後ではなく、すぐ近い将来の大学の姿が想像できたからである。
さて、代々木ゼミナールは22校閉じたが、閉じた数に比例して予備校生は減るだろうか?
ほとんどの閉じられた施設は地方あるいは首都圏近郊である。、
代々木ゼミナールは閉じた校舎の代わりにネットを通じてのサービスを提供するように考えているのなら、さほど予備校生は減らない可能性がある。しかし、一方で確実に減るのは講師の数である。
予備校生にとって、ネットを通じてトップクラスの先生の講義を受けられるならそのほうが良い可能性は十分ある。
今回の代々木ゼミナールの事業規模縮小で最も影響を受けるのは閉校となるところで教えていた講師たちだろう。
さて、これと類似のことが大学の環境で起こるのは明らかである。大学は閉校してしまうのか、あるいは合併するのか、、、、1990年代から進んできた産業のリストラと同様なことがとうとう、まもなく大学の世界でも起こる。一方、大学の世界ではmoocをはじめとしてネットを活用した講義の配信がどんどん広がろうとしている。多分大学の世界のリストラはこのネットでの講義の配信の進み具合と合わせて進んでいくだろう。
そこで、リストラの対象となるのは、大学教員と大学職員であることは明らかであり代々木ゼミナールほどのドラスティックな変化が起きたら、、、、とんでもない数の教員、職員がリストラに会う。しかも、大学はある意味で情報サービスの塊である。その意味でネットにはとても親和性が高い。その世界で生き残れるのは予備校の名講師だけが残るであろうと思われる
のとおなじで、名教授、名教員しか残らない可能性が大である。
大学の教育という機能はこのような影響が起きるのが見えている。、そのとき、大学のもう一つの機能である研究という部分はどうなるか、まだ、予想はつかない。
この部分は産業界のリストラではそれほど経験のなかった分野である。

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