ワシントンポスト、増収増益

2010年8月24日

新聞は構造不況業種だといわれ久しいが、アメリカの新聞業界は生き返りつつある。
今月、アメリカの大手新聞社の4社、すなわちニューヨークタイムス、
ウォールストリートジャーナル、USA Today,ワシントンポストは揃って黒字を確保。
中でも、ワシントンポストは対前年同期で増収増益を計上。営業収入は前年同期にくらべて11%増の12億181万ドル純利益は同じく7.5倍の9190万ドル。
ワシントンポストでは新聞事業は紙の新聞とネット配信を統合しているが、この部門ではネット関連事業の伸びが影響し前年同期にくらべて赤字幅が大幅減。
新聞発行部門はネット新聞の配信と合計して2.3%増の1億7273万ドル。紙の売上げは減ったがネットの売上げが14%増加した。前年同期の赤字額8934万ドルが今期は1430万ドルに縮小。ちなみに新聞事業全体に占めるネットの割合は15.6%となった。
ワシントンポストの主力事業はいまや教育事業で、この部門の収入は対前年比で15%増の7億4732万ドル。ワシントンポストだけでなくほかの三つの新聞社の事業内容も見ないと
はっきりはいえないが、ワシントンポストは新聞を発行している教育事業会社であるといえる。
ほかの三つの新聞社も何らかの事業転換をすすめて新聞事業を維持しつつ収益を生むビジネス構造の転換に成功しつつある。
日本では一部でアメリカの新聞事業は死んだ、というような記事が出たり本が出たりしているがどっこいがんばって事業転換をしつつ新聞を残している。
彼らの努力から学べることが多いのではないだろうか。ワシントンポストが重点を置いている教育事業はたしかに啓蒙を使命としているところでは新聞と共通のDNAがあるのだろう。

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